‪この街に雨が降り続けて沈んでしまえばいい。そうすれば大嫌いだった中学時代の思い出も魚の餌になって成仏してくれるかな。海底に落ちてきた僕の肉体を見て魚たちはどう思うだろう。きっとこんな醜い生き物が地上でのさばって生きているんだ、憐れだと悲哀するに違いない。見開いた眼球から僅かに漏れ出た小さな泡は海抜が上がるにつれて大きさを増し、地上に辿り着く頃にはこの世界を包む大きなオゾン層に成り代わっているだろう。僕は自分の寿命より長く持つレザーのジャケットに思いを馳せながら深い海の底で君がどうか無事でいるように願い、呼吸が止まったのを受け入れる。‬